行方不明だった少女保護で再び注目される公衆電話 数も減り利用したことがない子どもも増えている
2014年3月に行方不明となり、東京都内で27日に保護された朝霞市の女子中学生は、JR東中野駅にある公衆電話から自宅と警察に助けを求めていた。施錠された部屋から隙をみて逃げ出したため、保護されたときに少女は生徒手帳と170円の所持金しか持っていなかったという。こうした緊急時に連絡したいときに役立つのが公衆電話なのだが、携帯電話の普及に伴い、その数は減り続けている。そして、公衆電話の使い方を知らない子どもも増えているという。有事の際の利用方法や身のまわりの設置場所についてあらためて知っておく必要がありそうだ。
携帯電話などがない状況で誰かに連絡を取りたい場合、考えられるのは他人に借りるか公衆電話を利用するしかない。しかし、誰もが貸してくれるわけでもなく、人が見当たらなかったり、災害時などは携帯電話がつながりづらいこともある。
2011年には東日本大震災をきっかけに、災害時でもつながりやすい公衆電話が見直されたが、「どこにあるか分からない」という声も多かった。そこで2012年にはNTT東西が公式サイトで全国の公衆電話の設置場所が検索できる特設サイトを公開するようになっている(NTT東日本、NTT西日本)。
1985年のピーク時に約90万台あった公衆電話は、NTT東西あわせて9万7372台(2014年度末)にまで数を減らしている。電気通信事業者は基本的に公益性を踏まえ、いわゆる第一種公衆電話機は市街地で約500メートル、郊外で約1キロ四方に1台設置し台数を維持することになっている。原則として終日利用できる場所にあり、駅や公園、大通りに面した場所などで見かけるが、意識して設置場所を確認していない人も多いそうだ。少女が監禁されていたとみられる中野区のアパートからJR東中野駅までは200メートルほどしか離れていなかった。見知らぬ土地で公衆電話を探す際、まず駅を目指すというのは間違っていない行動だといえる。
ネットではこの事件をきっかけに「公衆電話はまだまだ必要だと思わせる事件」「子どもに教えることの一つとして公衆電話の使い方が必要になる」と公衆電話の重要性が語られている。