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ロキソニンに「重大な副作用」 実際のリスクは? 厚労省に聞いた

解熱鎮痛剤として広く使われている「ロキソニン」の使用上の注意に、「重大な副作用」として小腸・大腸の閉塞・狭窄などが追記されることになったというニュースが、ネットで話題になっている。【BuzzFeed Japan 渡辺 一樹】

このニュースを見た人の中には、「ロキソニン」という薬に重大なリスクが見つかったのだと受け止めている人もいる。

だが、厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課の担当者は、BuzzFeed Newsの取材に対し「ただちに使うのをやめてというような、緊急性の高い話ではない」と話す。

厚労省の通知によると、小腸・大腸の狭窄・閉塞の重篤な症状は、ロキソニンの副作用として「まれに」起こることがある。そのため、もし吐き気・嘔吐、腹痛、腹部膨満等の症状があらわれたら「直ちに医師の診察を受ける」べきだということだ。

専門用語で誤解生じた?

それでは、「重大な副作用」というのは、いったい何だったのか。

今回の件は、専門用語で書かれたニュースが一般に広まったことで、誤解が生じたという側面があるようだ。

同課の担当者によると、「重大な副作用」は、医薬品分野の専門用語。「もし症状が起こったら、健康に重大な影響がある副作用」という意味で、症状が軽い副作用と区別するために使う言葉だという。

つまり、「重大な副作用」は、副作用が起きる確率が高いことを示す言葉ではないわけだ。

そもそも、「重大な副作用」という言葉が登場するのは、一般用ではなく医療用の薬に添付される文書の中で、読むのは医療関係者だという。

「副作用理解して使って」

今回、ロキソニンについての注意書きが改訂されることになったきっかけは、すべての医薬品について行っている安全調査で事例報告が集まってきたからだという。報告数は直近3年間で6例だったそうだ。

同課の担当者は次のように話していた。

ロキソニンは長い歴史のある薬です。今回の副作用は、これだけ時間がかかってようやく見つかったものです」

「医療用のロキソニンの文書には10以上の『重大な副作用』が書いてあります。今回は、気をつけていただくべき副作用の種類が少し増えたということです」

「薬には副作用があります。そのことを理解した上で使ってください」